・質問  当社の社員が私傷病により長期休職となりましたが、給与の支払がないため社会保険料の給与控除ができません。どのように処理したらよいのでしょうか?
・回答   社員が産休や私傷病により長期休職となり、給与の支払がないため社会保険料の給与控除ができないということがよくあります。
 このような場合、実務的には本人にその都度別途請求したり、会社が立替えておいて、社員が復職した際に精算してもらう方法などがよく取られています。また企業によっては賞与などにおいて過去の複数月数分の保険料を一括して控除するなどの取扱いも見られるようですが、行政通達によれば、給与から控除できるのはあくまで前月分の保険料に限られていることに注意する必要があります。 
 そのため、給与から前々月以前の保険料や将来発生する保険料を会社が自動的に控除することはできず、勿論賞与や退職金から控除することもできません。その理由は、労働基準法第24条に定める「賃金の全額払いの原則」に抵触することが挙げられます。
給与や賞与からの控除については同条において、
@法令で別段定めがある場合、すなわち所得税法や地方税法に基づく税の源泉徴収、社会保険料の控除など公益上必要があるものと、
A労使協定で控除が認められている場合に限り、これを行うことができることとされています。
 以上より、給与や賞与などから前々月以前の保険料や将来発生する保険料を控除するためには、まずは上記Aの労使協定を締結し、例えば「会社が立て替えて支払った社会保険料の被保険者負担分」のように項目を定めておく必要があります。また、実務的にはこの労使協定に基づいて控除する場合であっても、その控除は社員の生活を脅かさない程度とし、金額によっては分割精算にする配慮が求められるでしょう。



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