No.95 「賃金債権譲渡社員への対応」
 
 みなさん、こんにちは!

 今年も残りあと僅かとなりました。

 時間が経つのは、本当に早いものです。 ついこの間、正月を無事迎えられたと喜んでいたら、あれよあれよという間に、 もう「年の瀬」になってしまいました。 年が明けると、「また一つ歳」をとってしまいます。
 私ぐらいの年になると、「歳を一つとる」ということには特別な感慨を覚えます。
 今年は、漸く一年無事に過ごせたけど、来年も無事に過ごせて「もう一つ歳を取れるかどうか」が、何とも言えない不確実性のある年代になってしまったからです。

 世の中の中心から離れた片隅で、ひっそりと暮らしている私にも今年は、実に色々な事がありました。中でも「物忘れ」が一年前よりひどくなってショックを受けたことが今年の特筆事項です。年をとると物忘れが進むと言いますが、私の場合、実際、かなりキテいるようです。
 例えば、パソコンで何かを見ようとブラウザのアイコンをダブルクリックして、立ち上がるのをぼーっと眺めているうちに、何を見ようとしていたのか忘れてしまうのです。その間、2、3秒でしょうか。その2、3秒の間に別の事が頭に浮ぶともうイケマセン。パソコンで何をしようとしていたのかを忘れてしまうのです。
 買い物に行ってもそうで、複数の物を買いに出かけると、そのうちの1つか2つは忘れてしまいます。一度忘れたら、幾ら思い出そうとしても、もうイケマセン。
 若い頃なら、ぼんやりしても、何かに気をとられても、すぐにその前に考えていたことを思い出せました。復元力があったのでしょう。今は復元力がだいぶ弱ってきて言わばゴムが古くなり、すっかり伸びてしまったような状態なのかもしれません。

 先日も所要先に出かけようと地下鉄に乗って行こうとしたことありました。 駅に着いてプラットホームに下りたら、丁度電車が滑り込んできたので、"あぁ、間に合った!"と慌てて乗りこみました。そして空いていた座席に座ってボンヤリと外を眺めていたら、その内に駅名がおかしいことに気がつきました。慌ててよく見たら電車が逆方向に走っていたのです。でも、そのときはもう乗り込んでから 3駅ほど過ぎていました。"何で、逆方向の電車に乗ったのだろうか。何で、直ぐそれに気がつかなかったんだろうか"と心の中で自分を罵りながら、その次の駅で降りて、改めて正しい行き先の電車を待ったのです。結局、所要先に着くまでには20分ほど余計に時間がかかってしまいました。
 それから、地図を見て目的地に辿りつくこともダメなのです。
 私は、初めての目的地の場合、最寄駅を降りてから殆んどのケースで正しい方向とは、逆の方向に歩き出してしまいます。そして、おかしいなと気がつき、2、3人に聞いてからでないと目的地に辿りつけません。だから、いつも30分は余計に見て、出かけるようにしています。

 でも、物忘れが酷くなって、良いこともあります。
 それは、余程ショックを受けたこと以外は、前みたいにあまり物事に悩まなくなった ことです。なんたって悩むべき事柄も忘れてしまうのですから・・・・ この点は、前よりストレスも少なく、幸せになったのかもしれません。

 実社会とか人生では色々と不公平や不平等な事も多いのですが、時の流れと加齢だけは多少のスピードの違いは有っても、基本的に万人に対して平等にその現象が現れてくるようです。

 さて、 前回の「産休中の社会保険料免除」についての話、如何でしたでしょうか。
 今回は、「賃金債権譲渡社員への対応」についての話をします。


――――――――――◆ 目 次 ◆――――――――――――――
○ 「賃金債権譲渡社員への対応」
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 個人的に消費者金融から借金をしていた社員が、返済が滞ったことから3カ月程度の自己の賃金債権を譲渡したらしく、消費者金融から会社に債権(賃金)の支払いを求める電話がかかってくるようになった‥。
 社員が消費者金融に賃金債権を譲渡したとはいえ、労働基準法には「賃金は、直接労働者に支払わなければならない」という直接払いの原則があります。このようなケースでは、どのように対応したらよいのでしょうか。

 社会保険関係の法律では、一般に保険給付の受給権の譲渡を禁止しており、また、労働基準法では、労働者が使用者に対して有する災害補償を受ける権利については譲渡を禁止しています。
 しかし、賃金については特に規定はありません。したがって、賃金に関しては、譲渡は可能とも考えられます。
 しかし、使用者に対し立場の弱い労働者を保護するため、労働基準法では賃金の支払いに関する「直接払いの原則」が定められています。
 過去の裁判等では、たとえ債権譲渡をしたとしても労働基準法の直接払いの原則を優先するとする裁判例が多く、賃金を金融業者に支払うことはできないと考えるのが一般的です。
 ただし、民事執行手続により裁判所が差押えを命じた場合は、雇用主は差押命令に応じなければなりません。これは一見、直接払いの原則に反するようにも見えますが法的には問題ありません。借金返済が滞った場合だけでなく、国や地方への税金の滞納の場合も同様です。しかし、給与全額を差し押さえられてしまうと、その社員は生活できません。このため、債務者保護の観点から、差押金額は原則、賃金から所得税・地方税・社会保険料等を控除した手取り賃金額をベースに、賃金の4分の1までとされています。然し、政令では、標準的な家庭に必要な生活費として33万円を想定し、33万円が4分の3に相当する44万円で線引きをし、手取り額が44万円を超えていれば、33万円を残してそれ以上の部分はすべて差し押さえられるとしています。従って、標準的な世帯所得を超える高給をもらう人については、政令で定める額を超える部分の全額を差し押さえることも可能なようです。
 企業としては、このような賃金債権譲渡問題については、法律に基づく強制執行手続の場合を除き、やはり生活者(労働者)保護の精神を念頭に置いて、労働法規に則り慎重に対応することが肝要なのは言うまでもありません。


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