No.81 「出張中の事故の労災適用」
 
 みなさん、こんにちは!

 私は、朝晩の通勤時以外にお客様のところにお伺いするときも電車を利用しますので、電車には普通の人よりとても多くの回数乗っていることになります。 そして電車には、様々な人が様々な人生をぶら下げて乗ってきますので、乗車機会の多い私は、乗車してくる人の夫々の人生模様をほんの一瞬垣間見る機会もとても多いことになります。


 ある日の夕方の帰宅電車、私が乗り込んだ車内は結構混んでいました。私は何時もの通り、空いている吊り皮にぶら下がりましたが、暫くすると隣からプーンとアルコールの匂いがしました。
 そして電車が次の駅に止まり、私がボンヤリとプラットホームを歩いて行く人たち眺めているとその中にアルコールの匂いを発散していた人を見つけたのです。その人は丁度定年を過ぎたくらいの年配の男性でした。
 はじめ私は、"平日の、然も夕方六時になる前から酒を飲んで酔っ払うなんて、随分と気ままな毎日を過ごしているもんだ。" と当たり前の感想を持ちました。 でも、それにしてはプラットホームをトボトボと歩く、「その人の後姿がどこか寂しげに」私には映ったのでした。そして、その寂しげな後姿を見てからハタと気づいたのです。
 "きっとその人には、飲まなくてはやってられない、なにか深い事情があったのだろう"と。
 そして改めて思ったのです。
 "「人生色々」、人は、はた目には分からない「人それぞれの事情」を抱えて生きているんだなぁ"と。

 ところで、酒の匂いがするのは何も年寄りだけではありません。バリバリ働いているはずの年齢の人でも、朝から酒の匂いを漂わせる人にお目にかかったこともあります。だから、「酒の匂いは、人それぞれの人生行路の匂い」なのかもしれないとつくづく思うのです。
 私の場合は、最近は外で酒を飲む機会がメッキリと減り、酒の匂いをプンプンさせて電車に乗ることもメッキリと減りましたが、改めて思います。 「みんな夫々に思い、悩みながら夫々の"長い人生の道のり"を歩いているんだなぁ」と。

  "ガンバレ人生!"

 もっとも私は、もう 頑張りませんが・・・・・・・




 さて、 前回の「休職期間満了間近社員への対応」についての話、如何でしたでしょうか。

 今回は、「出張中の事故の労災適用」についての話をします。






――――――――――◆ 目 次 ◆――――――――――――――
○「出張中の事故の労災適用」
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 業務で地方に社員を出張させ、事故にあった際の労災適用については、 注意が必要です。

 出張にあっては、出張先への往復過程(慣行的に認められている場合は、自宅を出てから自宅に戻るまで)も、原則として事業主の支配下にあるものとみなされます。また、出張中は、様々な私的行為を含みつつ、業務遂行責任が本人に包括的に委ねられているのが普通です。
 出張に通常伴う行為であれば、食堂で昼食をとる、喫茶店でコーヒーを飲む、宿泊先における食事の際に晩酌程度のお酒を飲む、テレビを見る、メールや電話をする、風呂に入る、就寝するといった一連の行為も、私的行為を含むからといって、問題視されることはありません。 このように、業務遂行性が広い範囲で認められている出張ですが、それでも、私用や積極的な私的行為、恣意行為によって招いた出張中の事故である場合については、この限りでありません。
 例えば、泥酔し、それが原因となって発生した事故、映画を見に行って映画館で負傷した場合、街で飲み歩いて交通事故に遭ったというような場合は、業務遂行性が失われていると判断 されます。  
 これまで、業務遂行性が否定されたケースとしては、次のような場合(通達・裁判例によるもの)がありますので、参考にしてください。

@手待ち時間があるため近くの海水浴場で海水浴をしたところ溺死(業務遂行性なし)
A街に繰り出しクラブで長時間飲酒して、泥酔の結果、宿の2階窓から転落した(積極的私的行為)
B会社の指定する宿に宿泊せず同伴ホテルに宿泊し、ホテル火災により死亡(出張過程から逸脱した恣意行為)

 また、出張の範囲についても注意が必要です。  
 例えば、公用外出、外勤などは出張に含まれません。厚生労働省の解釈も、「いわゆる公用外出などは、必ずしも出張に含まれない場合があるし、また、外勤業務とか出勤前の公用、退勤途上の簡単な用務なども、一般に出張とはいえない」とされています。  公用外出や外勤が、会社を起点・終点にされる場合は、問題は生じませんが、これに、直行・直帰が組み込まれるような場合は、最終(最初)の営業先と自宅の間は、通勤災害として、業務災害とは分けて処理されることになります。


 今回は、ここまでです。



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