No.79 「労使トラブルの増加」
 
 みなさん、こんにちは!

 最近ある人に勧められて『日本でいちばん大切にしたい会社』という本を読みました。

 著者の坂本光司さんは、法政大学で中小企業の研究をされている先生ですが、日本全国の中小企業をこれまで6000社以上訪問し、調査してきたそうです。6000社と言えば、1日1社365日訪問したとしても16年もかかる計算ですから驚きです。

 そのうち坂本さんが「真に正しい経営」をしていると考える5社(他にコラムで9社)がこの本で紹介されています。チョークを作っている会社や寒天を作っている会社、義肢装具を作っている会社に、お菓子を作っている会社、そしてフルーツを売っている会社です。

 チョークを製造している日本理化学工業株式会社は、50人の社員の内7割が知的障害者だそうです。
 同社の障害者雇用は、養護学校の先生に「働く体験」だけでもさせてほしいと懇願され、知的障害をもつ少女二人を1週間体験就業させたことからはじまります。体験就業も今日で終わりという日、社員全員が"私たちがみんなでカバーしますから、あの子たちを正社員として採用して下さい"と社長に直訴しました。仕事は簡単なラベル貼りでしたが、その子たちは朝から終業時間まで休み時間はもとよりお昼の休憩時間さえ手を休めず仕事に没頭し、社員みんなの心を動かすほど一生懸命働いたからです。
 社長は、最初は、なぜミスをしたときなど、"施設に帰すよ"と言うと泣きながら嫌がり、厳しく律せられる会社で働きたがるのか彼女たちの気持ちが分からなかったそうです。然し、ある日教えを請うた禅寺のお坊さんから、「幸福とは、@人に愛されること、A人に褒められること、B人の役に立つこと、C人に必要とされることであり、その内、A人に褒められること、B人の役に立つこと、そしてC人に必要とされることは施設では得られない。この3つは働くことによってのみ得られる。だから、その子たちは会社で働きたいんだ」と教えられて初めて合点が行ったそうです。
 その後彼女たちを正社員として採用してから、社長は、「人を工程に合わせるのではなく、工程を人に合わせる」との考えで、工場の機械を彼女たちに合わせて変えて行きました。
 社員たちも「この子たちのためにも会社をつぶしてはならない」と会社が苦しいときも一丸となって頑張ったそうです。
 そして、15,6歳で入社した彼女たちは50年後の今も同社で働き続けているそうです。
 「人間にとって"生きる"とは、必要とされて働き、それによって自分で稼いで自立することなんだ」・・・「それなら、そういう場を提供することこそ、会社にできることなのではないか。それが企業の存在価値であり社会的使命なのではないか」、このことをきっかけに、以来50年間、日本理化学工業はこのような「理念」の下、積極的に障害者を雇用し続けているそうです。

 この本には、日本理化学工業の他にも、会社は社員の幸せのためにあるという信念のもと48年間増収増益を続けている伊那食品工業株式会社。事故に合われて障害を持った方のために義肢の製造を過疎の村で続けていても就職希望者が引きもきらない中村ブレイス株式会社。地域の人々を幸せにすることを使命に北海道で高いブランド力を誇る菓子メーカーの株式会社柳月。寂れた商店街の中にあってビジネスの姿勢が顧客に支持されて、高価なメロンを年に8000個も販売する杉山フルーツなど、それぞれが心温まるエピソードの数々とともに紹介されています。


 さて、 前回の「労使トラブルに「合同労組」についての話、如何でしたでしょうか。
 今回は、「労使トラブルの増加」についての話をします。



――――――――――◆ 目 次 ◆――――――――――――――
○「労使トラブルの増加」
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 厳しい経済情勢を背景に、企業と従業員が雇用契約などをめぐってトラブルになるケースが増えています。 短期解決に役立つ仕組みなど、押さえておきたい項目をまとめました。

●「労働審判制度」:
 これは2006年から始まった制度で、民間から選ばれた労働審判員2人と裁判官で構成される労働審判委員会が調停(話合い解決)を試み、まとまらなければ労働審判を下します。 審判に異議がなければ確定となり、異議があれば通常の訴訟に移行します。
 調停や確定した審判は裁判上の和解と同じ効力があり、強制執行も可能です。 通常の裁判は長期化しがちですが、労働審判は「原則3回以内」で審理を終えるため、平均審理期間は74日と短期間です。

●個人での争いが増加傾向:
 厚生労働省の出先機関である都道府県労働局や労働基準監督署で無料相談ができる「総合労働相談コーナー」にも多くの事案が持ち込まれています。 ここでは企業への助言・指導や、紛争調整委員会によるあっせんができますが、労働審判のように、あっせんに応じさせる強制力はありません。法令違反などの疑いがあれば、労働基準監督署が会社に対して指導を行います。
 2010年度の相談件数のうち、民事上の個別労働紛争の相談は24万6,907件と過去最高だった前年度と同水準でした。組合の組織率低下などを背景に、働く人が個人で経営者側と向き合う状況が増えているためのようです。

●トラブルが起きないことが一番:
 会社が残業代を法律通りに支給していなかった場合などで、労働審判などを通じ、突如数百万円規模の支払いが必要になるケースも見られます。 もちろん、トラブルが起きないことが一番ですが、トラブルが起きてしまった場合の対応も予め検討しておくことが求められるようになりました。

 肝心なのは早め、早めの誠意のある対応です。トラブル対応についてのご相談は、弊事務所にお気軽にお問合せ下さい。


 今回は、ここまでです。



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