No.71 「海外派遣者への労災適用」
 
 みなさん、こんにちは!

 朝晩は、随分と冷え込んできて、銀杏並木もスッカリ黄色くなりました。 もうすぐ、寒い冬が来るんでしょうね!

 "景気が悪い"、"政治はどうしょうもない"とため息をいくらついても、そんなことには関係なく、季節はキチンキチンと巡ってきます。
 夏が過ぎ、秋が過ぎ、とうとう年末を迎えることとなってしまいました。 年末には「一時金を出す」という日本の風習があります。景気回復を一向に実感できない中小企業の経営者には今年もまた辛い年末が巡ってきます。
 「今年こそは、社員にそこそこのボーナス出したい」と思い、1年頑張ってきたものの、経営は一向に立ち直らず、結局、今年もまたボーナスも出せる見込みの無い会社、出せても「気持ちだけ」で社員に我慢してもらう会社と何れも厳しい「年の瀬」を迎える会社も少なくないようです。辛い時期です。

 ところで、普段何気なく使っている「年の瀬」とは、年末、年の暮れの意味ですが、その由来を調べたら、次のようでした。
 江戸時代の貧乏人は、溜めに溜めたツケ(店賃や飲み屋、米屋などの借金)を年末に、手持ち現金があるだけ払えるだけ払うと、年を越せるかどうかも怪しくなってしまいました。手持ちのお金が無く、ツケが払えなければ物の工面ができません。つまり、「マキ代がなければ凍え死に、米代がなければ飢えて死ぬ」のです。庶民にとっての年越しとは、生きるか死ぬかほどの重大事だったのですね。その大変さを表わすのに、急流・激流を意味する「瀬」の字で表わしたということだそうです。
 現在でも、住宅ローンなど銀行からの借入があるヒトは、ボーナス時の返済として見込んでいたボーナスが出ないため、不安いっぱいで年を越さなければならないかもしれません。 庶民の苦しさとか世の中の厳しさは、江戸時代も今も余り変わらないようです。

 さて、 前回の「未払い残業代」の労使紛争」についての話、如何でしたでしょうか。
 今回は、「海外派遣者への労災適用」についての話をします。



――――――――――◆ 目 次 ◆――――――――――――――
○「海外派遣者への労災適用」
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 最近は中堅中小企業でも海外に進出する事例が多くなってきました。労働者災害補償保険(以下、「労災保険」という)の特別加入というと一般的には中小企業主が加入する特別加入を思い浮かべますが、海外派遣者についても「特別加入制度」があります。
 労災保険は、国内にある事業所に適用され、そこに就労する労働者が給付の対象となる制度です。そのため、海外の事業場で就労する労働者は日本の労災保険制度は適用されず、派遣先国の災害補償制度の対象となります。
 しかし、その適用範囲や給付内容は必ずしも十分であるとは云えないことから、海外派遣労働者が労災給付を受けられるように「海外派遣者の特別加入制度」が用意されています。この特別加入を行うことで、原則として国内労働者と同様の労災保険給付を受けることができます(中小事業の代表者等として海外派遣される者は労働者としての業務遂行性が問われ、経営者と見なされる場合は、特別加入できません)。
 ただし、給付額の算定基礎等に用いる給付基礎日額は、特別加入対象者の取得水準に見合った適正額を申請し、都道府県労働局長が承認した額となります。これに合わせて保険料率もこの給付算定基礎日額に保険料率を乗じたものとなります。保険料率は業種に拘らず一律で定められています。
 なお、中小事業主等が特別加入を申請する場合には、労働保険の事務処理を労働保険事務組合に委託していることが要件となっていますが、この海外派遣労働者の特別加入にはこの要件が定められていません。また、海外派遣者の特別加入では、「海外派遣」と「海外出張」が区分されています。定義は以下のようになっていますが、どちらに当たるかは勤務の実態によって総合的に判断されます。
@海外派遣:海外の事業場に所属し、当該事業場の使用者の指揮に従って勤務すること。
A海外出張:国内の事業場に所属し、当該事業場の使用者の指揮に従って勤務すること 。
海外主張と見なされれば、原則として、特別加入を行なわなくとも国内で出張を行なった場合と同様の労災が適用できると考えられます。
  海外派遣を行う場合には、会社で民間の傷害保険に加入することも多いと思いますが、保険の適用範囲や保険料負担を比較し、検討する必要があるでしょう。労災保険は、障害が残った場合の給付期間に制限がないという部分が大きなメリットとなっています。

今回は、ここまでです。



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