No.68 「複数事業所の安全衛生管理」
 
 みなさん、こんにちは!  

 日本は、2005年に初めて人口減少時代に突入した後、その後少し横這い状態を続けましたが、2008年、2009年と人口減少の程度を加速し、 今後も年を経る毎に益々人口減少・少子高齢化への流れを速めるようです。
 更に、人口減少・少子高齢化という未曾有の事態に何の効果的な政策を打てない政治の混迷が、日本の国力の衰退に拍車を掛けているようです。

 こんなことを考えていると、暑い毎日にただでさえ悲鳴をあげている私の使い古した頭は、一段とカッカカッカしてきて、今にもオーバーヒートしそうです。
 それにしても、私の少年時代の日本は元気でした。
 昭和31年7月17日に、この年の「経済白書」が発表されましたが、その副題には「もはや『戦後』ではない」と銘打たれていました。そして、この言葉は、当時たちまち流行語になり、今でも語り伝えられている「一世を風靡した言葉」となったのです。
 ところで、「もはや戦後ではない」という言葉は、「もう暗い状況は脱した」という意味で受け取られることが多い様ですが、でも、それは誤解らしいのです。 白書には、「回復を通じての経済の成長は終わった。国民所得や技術革新からみても、もはや戦後ではない」と書かれていたそうです。そしてその参考資料には、筆者の真意は次の点にあると記されています。
 「今までは戦後復興ということで、成長の伸び代(のびしろ)が多大にあったが、戦前の生産水準にまで回帰してしまった以上、この先、この成長をどうやって続けたらよいものだろうか……」と。

 しかし、その後の日本は、筆者の悩みも何のそのと、高度経済成長を続け、バブル経済が破裂するまで、経済成長をひた走りに走りました……。 然し、バブルはやがて崩壊し、その後日本は長期停滞状態に陥り、デフレ経済から一度も脱出できないまま、人口減少、少子高齢化社会を迎えてしまいました。
 そして、こんな時代を迎えてしまった今、誰もが「もはや『戦後』ではない」の筆者と同様に"さぁ、これからどうしたものか"ともがいています。

 それにしても、日本の高度成長期ごろの元気さを改めて思い出します。 私がテレビを初めて見始めた頃、今でも鮮明に覚えている番組は、大相撲の両雄であった栃錦と若乃花の「栃若決戦」です。両雄が勝ち進み千秋楽にいよいよ雌雄を決する、ということで、世の中は盛り上がっていました。私も人並みに盛り上がり、手に汗を握って電気屋の店頭に置いてあったテレビに見入ったものでした。
 そのころはまた、プロレス全盛時代でもありました。プロレスの試合の流れはほぼ毎回同じで「最初痛めつけられていた力道山が、やがて逆襲に出て、最後の場面で空手チョップを振るって、外人レスラーをコテンパンにやっつける」というものでした。力道山が空手チョップを振るい出すとテレビの前の観衆は大喝采して、日頃の生活の鬱憤を晴らしていました。
 大試合となるとテレビが置いてある喫茶店やそば屋の入口には「テレビ中継中」の表示が出ていました。私たちはテレビを見たさに「コーヒーを飲みたくなくても、そばを食べたくなくても」、入場料代わりのコーヒーやそばを注文したものでした。そして店の中は、椅子という椅子、更には補助椅子まで持ち出してきて、そこにみんなぎっしりと座り、入口の上の棚に据えられたテレビにジッと見入っていました。そして、ぎっしりと立て込んだ店の中を店員が掻き分け、掻き分けて、そばを運んでくると、「何とも邪魔な」とばかり、仕方なさそうに割り箸をパチンと割ってつゆに薬味を入れて、仕方なく食べ始めるのですが、その間も目はジッと上のテレビを凝視しているという珍妙な光景がアチコチで見られました。 あのころは、テレビの力道山や栃若の活躍に「今に見ていろ」の自分の思いを託していたのかもしれません。活況に満ちみちた愉快な時代でした。


 さて、 前回の「障害者「雇用制度」の改正」についての話、如何でしたでしょうか。

 今回は、「複数事業所の安全衛生管理」についての話をします。


――――――――――◆ 目 次 ◆――――――――――――――
○「複数事業所の安全衛生管理」
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 企業は、従業員の安全と健康を守るために業種や従業員規模に応じて、安全衛生管理体制を整備していくことが義務づけられています。
 例えば製造業の会社において、本社には営業や事務部門があるだけで、地方に工場があるようなケースがありますが、営業と事務部門しかいない本社の従業員数が50名を超えている場合、本社についても安全管理者を選任しなければならないのかとの問題があります。
 そもそも安全衛生管理体制の適用は、労働基準法における考え方と同一となり、事業所単位で行われます。具体的な取扱いについては、通達(昭和47年9月19日発基第91号)が出されており、「一つの事業場であるか否かは主として場所的観念によって決定すべきもので、同一の場所にあるものは原則として分割することなく一つの事業場とし、場所的に分散しているものは原則として別個の事業場とする」とされています。
 そのため、本社とは離れた場所に工場や営業所のあるような場合は、それぞれにおいて安全衛生管理体制を整備する必要があるということになります。
 ただし例外として、場所的に分散しているものであっても「規模が著しく小さく、組織的な関連や事務能力等を勘案して一つの事業場という程度の独立性がないものについては、直近上位の機構と一括して一つの事業場として取り扱う」とされています。そのため、数名の営業担当者のみがいるような出張所については、直近上位の組織の中に含めて取扱うことになります。
 また、同一の場所であっても著しく労働の態様を異にする部門がある場合には、その部門を主たる部門と切り離して別個の事業場としてとらえることにより労働安全衛生法がより適切に運用できる場合には、その部門は別個の事業場としてとらえることになります。

 それでは次に業種についてはどのように考えればよいのでしょうか?
 これについては、同通達の中で「その業態によって個別に決するもの」とされており、事業場ごとに業種を判断することになります。そのため、例えば、会社は製造業に該当するが、本社は営業や事務部門のみの事業場であれば、本社は「その他の事業」に該当することになります。その結果として、本社では安全管理者を選任する必要はなく、衛生管理者を選任すれば足りるということになります。企業としては、適正な事業所の単位区分となっており、そしてその事業所単位にあった安全衛生管理体制が整備されているか否かを確認し、併せて業種の区分の適用についても実態に合致しているかを点検しておく事をお勧めします。


今回は、ここまでです。



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