No.57 パートへの健康診断
 
 みなさん、こんにちは!


 昨年秋のリーマン・ショックに端を発した世界的な大不況も、最近は底を打ったとの見通しも出てきました。
 昨日(8月21日)のニューヨーク株式市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の講演などを受け、景気回復への期待感が広がり、大幅に上昇したと伝えられております。
 
 でも、底を脱したのは大手の企業で、中小企業の苦境はまだまだ続いているんですね。


 先日、今年の決算で初めて赤字に転落した会社の幹部から、赤字転落の要因などについて話を伺う機会がありました。

 湿度も気温も高い中、胸に応える話を聞いていると不快指数が今にも最高潮になりそうでしたが、その話は、実に興味深いものでした。

 幹部の話によると、赤字への転落要因は色々ありますが、最大の要因は「今まで最大・最良であったお得意さんからの受注が質・量とも厳しくなった」ということだそうです。
 そこのお得意さんとは、何十年来の取引で相互の信頼関係も強かったのですが、昨今の厳しい生き残り競争がこの関係にも、徐々にひびを入れていったようです。お得意さんのコストへの要求がとても採算に耐えられないほど厳しくなっていったとのことです。

 お得意さんの経営も厳しくなったのでしょうが、その苦しさをこの会社にも押し付けてきたんですね。

 そして、赤字に転落すると、銀行の融資態度も一変したそうです。経営が順調なときは、しきりに融資増を進めていた銀行が、経営が厳しくなったとたん、融資の引き上げをほのめかすようになったと、その会社幹部は嘆いていました。


 今回の世界的な大不況に巻き込まれた日本の経済秩序は、なにか音を立てて崩れていくような思いをしています。そして、政治の世界にも政権交代という新しい動きが現実化してきているようです。

 私たちは、今、日本の歴史的な転換点に立ち会っているのかもしれません!



 さて、 前回の「派遣労働者をめぐる雇用問題」についての話、如何でしたでしょうか。

 今回は、「パートへの健康診断」についての話をします。




――――――――――◆ 目 次 ◆――――――――――――――
○「パートへの健康診断」
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 安全配慮義務の一環として社員の健康管理に関する企業の責任が強く求められるようになってきています。社員の健康管理という点では「過重労働対策」と並んで「健康診断の実施」が大きな柱となります。
  「健康診断の実施」は労働安全衛生法第66条の定めにより企業に義務付けられており、多くの企業では年に1回、時期を決めて実施されているのではないでしょうか。
  ただし、その対象者は正社員に限定され、契約社員やパートタイマーなどについては実施されていないことが少なくないようです。パートタイマーといっても本当の短時間労働者もいれば、限りなく正社員に近いフルタイムパートと呼ばれるようなパートタイマーまで様々であり、「パートタイマー=健康診断は必要ない」と考えるのは問題があります。パートタイマーであっても、以下の条件を満たす場合には健康診断を受診させる必要があるのです。

@雇用期間の定めのない者(雇用期間の定めはあるが、契約の更新により1年以上使用される予定の者、雇用期間の定めはあるが、契約の更新により 1年以上引き続き使用されている者を含む)

A1週間の所定労働時間が、同種の業務に従事する通常の労働者の4分の3以上であるとき(なお、概ね2分の1以上であるときは、実施することが望ましいとされています)         

 以上の条件を満たすパートタイマー等がいる場合は、正社員と同様に健康診断を受診させる必要があります。そして、最近の労働基準監督署の調査では、ほぼ確実に健康診断の実施状況が確認されています。
 定期健康診断を怠っていると労働安全衛生法に違反しますし、事業主の安全配慮義務違反にも問われますので注意が必要です。最近の事例では過労死などのケースで安全配慮義務違反に問われ、遺族に対して一億円を超える支払いを命じられたこともあります。定期健康診断を実施していない会社は、このように非常に大きなリスクを負うことになりますので、注意が必要です。
  経営者の方は、自社の状況を確認されて、未実施の場合には上記基準に基づき、対象者を選定した上で健康診断を実施するように手配することが求められます。またこれと併せて、パートタイマー就業規則にも健康診断の受診義務を定めておくといった整備をしておきたいものです。


今回は、ここまでです。



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