No.55 退職願の撤回トラブル
 
 みなさん、こんにちは!  

 梅雨の鬱陶しい日が続きます。 そして、毎日まいにち、変り映えのしない日も続きます。 然し私は、毎日の通退勤時の電車の中で、本当に色々な人生模様を垣間見させて 頂いております。

 先日、夕方の帰宅電車の中、何時も通りに吊り皮にぶら下がっているとプーンと アルコールの匂いがしました。 途中駅で降りていったその匂いの主を見ると、定年を過ぎたくらいの年配の男性でした。 "平日の、夕方六時半になる前から酒を飲んで酔っ払うなんて、随分とぜいたくな毎日を過ごしているもんだ" との思いが私の頭に浮かんでいました。 でも、それにしてはプラットホームをトボトボと 歩く、「その人の後姿はどこか寂しげにも」私には映ったのでした。
 そんな思いをした数日後、何とはなしに見たテレビでは、定年退職した後、全く仕事に就かなくなった人の1/3程度はアルコール依存症になってしまうとの番組が放映されていました。
 定年後、毎日、家にいるようになっても奥さんはパートに出て不在だし、子供は独立して不在で、家には一人で残されてしまいます。 何か趣味でもあればよいのですが、生憎、「現役時代は、企業戦士と言われ、仕事しごとの毎日を過ごし、仕事以外に打ち込む趣味もない」とすると、会社に行かない毎日を、本当にどう過ごすかが悩みの種となるようです。 そしてそんなとき、手持ち無沙汰にそばにあった酒を口に含んでみたら、何とはなく気分が落ち着き、飲むほどに、酔うほどに心の憂さを晴らしてくれ、浮世を忘れさせてくれることに気がつくわけです。そして、その後は毎日まいにち酒に救いを求めるということになってしまうようです。
 テレビの画面の中では、中年の人が、"毎日、朝起きてもすることがなく、話し相手もいない。だから気がつくと、毎日まいにち、1時間おきに酒を飲んでは酔いつぶれて寝て、起きてはまた飲むという日を繰り返している"と語っていました。
 現役のときは、会社で仕事に神経をすり減らし、めでたく定年退職したら、毎日することが無いために神経をすり減らし、挙げ句の果てには「アルコール依存症」になってしまうとしたら、なんと寂しい企業戦士の人生ではありませんか!


さて、 前回の「労災認定基準の見直し」についての話、如何でしたでしょうか。
今回は、「退職願の撤回トラブル」についての話をします。




――――――――――◆ 目 次 ◆――――――――――――――
○「退職願の撤回トラブル」
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 退職の際に労使間でトラブルが生じることがあります。

 最近では、在職中に転職先を決めていたが、転職先の企業の経営状況悪化などの理由により、提出した「退職願」を撤回したいと申し出てくる労働者とのトラブルが発生することもあるようです。
 退職の申出には、労働者側から一方的に労働契約を解消する解約告知としての「退職届」と、労働契約の合意解約の申込みとしての「退職願」の2つのケースがあります。
 前者の「退職届」の場合、基本的に撤回することはできませんが、後者の「退職願」の場合は、撤回できる場合があります。この「退職願」の場合の退職の効果については、会社の承認や承諾により発生するものとされ、会社の承認や承諾がなされて合意退職が成立するまでの間は撤回ができるものと考えられているからです。
 従って、労働者が「退職願」を直属の上司に提出したものの、上司がそれを預かったまま人事部長など決定権のある人へ決裁を上げていなかった場合は、撤回できる可能性があります。「退職願」を受け取った者が承認の権限を持つかどうか、そして、それを正式に受け取ったのか、預かりで受け取ったのかが撤回できるかどうかの決め手となります。
 労働者が「退職願」を提出した後、会社がそれを「承認された状態」なのか「預かりの状態」なのかを曖昧にしておくと、すでに新たな労働者の採用を決めていたケースなどで、労働者から「退職願を撤回したい」と申出があった場合にトラブルに発展する可能性があります。「退職願」を受け取った場合、会社としては、承認や承諾をして合意退職が成立した時には、「退職願」を受理し、『承認しました』という意味の通知書などを作成して労働者に渡すことによって、「退職願」を撤回することはできないと労働者に示すことができます。

何事もトラブルが起こってから対応するのではなく、予測されるトラブルを未然に回避する方策を考えておくことを、常に意識しておきたいものです。

 今回は、ここまでです。



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