No.13 退職金の積立不足と労働債権の順位について
みな様こんにちは!

ここのところ、5月なのに梅雨に入ったようなグズグズした天気が続いていますが、お身体に変わりはありませんか?
さて、前回の「パート社員に対する退職金」についての話、如何でしたでしょうか。
今回も、引き続き皆さんが余りご存知ない「退職金問題」についての話をします。
今回は「退職金の積立不足と労働債権の順位」について纏めてみました。
皆さんもこのメルマで、“こういった話を聞いてみたい・教えて欲しい”といったご要望がありましたら、是非ご連絡下さい。
ご質問いただいた内容については、メールマガジンを通してご回答させていただきます。ご質問・ご意見はinfo@node-office.comからどうぞ。

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○ 退職金の積立不足と労働債権の順位
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 総務省・厚生労働省の調査によると、日本の民間企業の内9割程度の企業が何らかの形で退職金制度を設けていますが、この退職金制度を持つということは、それに見合った給付責任である退職給付債務を負っているということになります。
平成15年3月期決算企業1,280社の退職給付債務は、総額で37兆8,600億円にのぼります。
これだけで、実に国家予算の半分近い額になります。更にこれに、未集計企業も含めると、日本企業全体では計り知れない額の退職給付債務を背負っていることになります。
然し、企業が破綻した場合の現行諸法における債権順位を見ると、退職金債権は一般債権並みの保護しか受けていません。
つまり、会社に万一のことがあったときの退職金の保全は、決して十分ではないのです。
最近は株式で運用している場合の、市場運用の成績は良いようですが、中小企業で普通となっている「適格退職年金の場合の生命保険の一般勘定での運用」や、「退職金一時金準備としての国債運用」の場合などは、超低金利による運用利回りの低さから、退職金を準備するための資産の積立は予定通りに進んでいないのが通常です。
従って、現行の退職金・年金システムは早晩、見直しを迫られるというのが一般的な見方です。
そして、その場合は「退職金規程」の変更を伴うことになりますが、それに“労働者に不利益な労働条件の変更が含まれるとき”は、「就業規則の作成または変更の可否に関する判例法理」に基づいて判断されることになります。最高裁の不利益変更に関する法理は、次の通りです。

(1)既に具体的権利として発生している退職金請求権や賃金請求権といったものは、原則として労働者の同意なくしては就業規則の変更によって処分あるいは変更することはできない。

(2)変更された就業規則の条項が合理的である場合には、その後の労働条件については変更に同意しない労働者にも拘束力がある。

(3)「合理性の判断」は総合的に行う。

(4)従業員の大多数を代表する者(組合)の同意があれば、一応、合理的と推認する。

このように退職金問題は、今後日本企業の大きな経営課題として益々クローズアップされて行くと思われますが、そこから更にサラリーマンの老後生活の問題へと波及して行くかもしれません。
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